コラム

「こだわり」と「囚われ」

Aさんがもっと主体的に動いてくれればいいのにな
Bさんはキャリアについて真剣に考えてくれればいいのにな
Cさんがもっと利益を上げてくれればいいのにな

上司にあたる方々は、部下に対してこのように思ったことは1度はあるのではないでしょうか。

 昨今、研修で流行っている1on1という名の成長支援。
企業によってどのような意図をもって導入しているのかはさまざまですが、
今回は部下の成長を願った1on1について書いてみたいと思います。

 その前に、「成長」とは何かを考える必要があると思っています。

経営者が求める「成長」がなんなのか、そして、現場(お金を生み出す場)で必要とされる「成長」がなんなのか、それぞれを明確にすることが必要だと思っています。
今回はここからお話すると長くなるので、また今度(笑)にします。

 さて、今1on1を行っている管理職の方々は、取り組み初めてから1年以上経過しています。
部下の成長という目に見えにくい感覚を掴めた方と、まだまだ掴めていない方、なんとなく感覚が分かってきた方などいろいろな段階の方がいます。
 ここで、感覚を掴めた人とそうでない人の何が違うのか、私なりに考察を行ってみました。

多数ある仮説のうちの1つに、1on1をする側が自分の「こだわり」と「囚われ」について
どのくらい認識できているのか、はたまた認識しようとメタ認知しているのか
に違いが出てきているのではないか、という仮説が生まれました。

 「こだわり」と「囚われ」は、いろいろな文脈で必要な認識だと言われていますが、
1on1をリードする側の上司の方が、ご自身の「こだわり」と「囚われ」に気づいている、もしくは気づいていない場合。
または、これらを意識しての行動を取れている、取れていない場合とでは、1on1をされる側から見るとストレス度合が大きく変わってくるのではないでしょうか。

 では、どうしたらいいのでしょうか。という質問がきそうですね。
「これ!」という解があれば良いのですが、見当たりません。ただ、提案するとしたら、

 ・外に成果を生み出していれば(この文脈でいえば、部下が成長していると感じることができる)、それはあなたのこだわりが成功しているのではないでしょうか。
・外に成果を生み出していなければ、それは「囚われ」ではないでしょうか。

 「こだわり」が「囚われ」になっていることに気づかないと、厄介なことになりそうですね。

 さて、1on1の研修で上司ばかりに学びの場が提供されていますが、
実は部下側もとても重要だということはご存知でしょうか。

 受ける側も捉え方を意識しなければ、他責ばかりになってしまいます。

 1on1はどちらか一方が学ぶものではなく、相互に学ぶものだと考えています。
今一度、ご自身の「こだわり」と「囚われ」について、振り返ってみませんか。

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