リーダーシップとは「影響力」
「リーダーシップ」と聞くと、組織を率いる力、チームを導く力、会議で的確な判断を下す力──そんなスキルや役職を思い浮かべる方も多いかもしれません。
けれど、私の中でのリーダーシップの定義はもっとシンプルです。
リーダーシップとは、“影響力”のこと。
それは、指示や命令による影響ではありません。
日々の言動、ふるまい、姿勢、生き方。
「この人がそうしているなら、私もやってみよう」と思えるような、
にじみ出る“あり方”が、周囲に与える静かな力。
そして私は、その力が、家庭の中──子育てという関係性の中で育まれていたのだと、今は感じています。
娘の“違和感”が、私の当たり前を揺さぶった
ある日、娘との日常の会話の中で、こんな出来事がありました。
私が友人から聞いた話をもとに、「〇〇さんって、先生に怒られたらしいよ」と口にしたとき、
娘はこう返したのです。
「ママ、その子のこと、ちゃんと知ってるわけじゃないよね?
なのに、なんでそんなふうに言えるの?」
はっとしました。
自分の中にある“当たり前”が、揺さぶられた瞬間でした。
子どもの感受性は、ときに親の無意識にまで踏み込みます。
それは、私自身の「ものの見方」を映し出す鏡のようなものでした。
私はそれ以来、「発言の背景」「言葉の重み」「伝わり方」を、以前よりも意識するようになりました。
そして、この感覚はそのまま、今の仕事の中でも大切にしている姿勢です。
家庭での“関わり方”が、無意識ににじみ出ていた
子育てを通じて私が身につけていたのは、「子どもにどう伝わるか」という“関わりの微細な感覚”でした。
たとえば、こちらがイライラしていると、何も言わなくても空気を通じて伝わってしまう。
「言っていないから大丈夫」ではなく、「言っていないけど伝わってしまう」のが、親子関係。
この“空気の力学”に敏感になることで、私は「影響を与える側の在り方」に自然と意識が向いていたのだと思います。
職場でも同じです。
たとえば、上司のちょっとしたため息や、メールの文面、声のトーン──
それらは部下や同僚に想像以上の影響を与えているかもしれません。
家庭で自然に身についた“周囲との関係性のつくり方”は、
職場での信頼関係やチームづくりにもつながっている。
今振り返ると、私は“特別なリーダー研修”を受けたわけではありません。
けれど、子育てという実践の中で、気づかぬうちに「影響力」を学び、「影響の質」を選び取る感覚を磨いていたのです。
だから私は、子育てを「ブランク」とは呼ばない
子育ての時間は、確かに“働いていない期間”かもしれません。
でもそれは、「社会と断絶していた時間」では決してありませんでした。
むしろ私は、
人を育てるとはどういうことか。
思い通りにならない他者とどう向き合うか。
自分の言葉がどんな影響をもたらすか。
──そんな問いと向き合い続けていた時間だったと思っています。
子どもという存在を通して、自分の姿勢や言葉の使い方に敏感になっていく日々。
それはまさに、「リーダーシップの土台」が醸成されていた時間だったのだと、今なら言えます。
最後に、あなたへの問い
あなたの「あり方」は、知らず知らずのうちに、誰かにどんな影響を与えていると思いますか?
その影響力は、どこから培ってきたものですか。
また、その影響力を、今後どのように育てていきたいですか。
Stay tuned for the next article.

