問いを変えれば、すべてが変わる。
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#26 “ちゃんと見てるよ”が、自律を支える──子育てと組織に通じるまなざし

“正しさ”より、“わかってくれる人”がほしかった

娘が「センター試験は受けない」と言ったとき、私は咄嗟に「えっ、大丈夫なの?」と返してしまいました。

今思うと、少し恥ずかしい一言です。なぜなら、何に対して「大丈夫」かが明確でないまま発していたからです。無意識に「みんなと一緒じゃなくて大丈夫なの?」「大学行くなら受けるのが当たり前でしょ?」といった、“世の中の常識”に寄りかかっていたのだと、今では気づきます。

その後、私はいったん立ち止まり、娘の話に耳を傾けました。どうしてそう決めたのか。何を考え、どんな可能性を手放し、どんな価値を選び取ろうとしているのか。

そして私は、賛成でも反対でもなく、“そのままのあなたを受け止める”という選択をしました。


自律には、「安心して迷える場」が必要

自律というと、「自分で決めて、自分で動く力」として語られがちです。

でも実際には、「わかってくれる人がいる」「話をしっかり聞いてくれる」という安心感があるからこそ、人は迷い、考え、そして選び取っていけるのではないでしょうか。

娘の決断も、あのやりとりがあったからこそ、一歩を踏み出せたのかもしれません。

「ちゃんと見てくれている人がいる」

それは、子どもにとっても、大人にとっても、自律を支える土台になるのだと思います。


組織でも、自律は「承認」から始まる

職場でも同じです。

「もっと自律的に動いてほしい」と願うなら、まず必要なのは“承認のまなざし”かもしれません。

たとえば、部下が悩みながら決断したとき──

「それ、本当に大丈夫?」
「こっちの方が良かったんじゃない?」

と“正しさ”でジャッジするのではなく、

「そっか、そういう考え方もあったんだね」
「それ、おもしろいね。もっと詳しく聞かせて」

という、興味と関心のあるまなざしがかけられたとき。

その言葉こそが、次の一歩を後押しする力になるのだと思います。


自律は「信じて見守る」関係のなかで育つ

「任せる」ことと、「放っておく」ことは違います。

自律は、“放任”では育ちません。

自分で選び、動こうとするその姿に対して──

  • 話を聴いてくれる
  • 見守ってくれる
  • 気づきを言葉にしてくれる

──そんな大人や上司の存在があってこそ、自律は育っていくのだと、子育てを通して改めて実感しています。


■あなたへの問い

あなたは最近、誰かの選択や迷いに対して、

“アドバイス”ではなく、“承認”の言葉をかけたことがありますか?

その人はきっと、**「わかってくれる人がいる」**という安心感の中で、また一歩を進めることができるはずです。

 

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