問いを変えれば、すべてが変わる。
見つけよう、その先の問いを。

#29 「専業主婦からどうして起業されたのか」に、まっすぐ答えてみる──子育てと人材育成が“交差点”になるまで

キャリアの原点は、近所のカフェだった
──「小さな社会」とつながるリハビリの時間

「専業主婦からどうやって起業に至ったのですか?」

そんな問いに答えるには、17年という“職務経歴上の空白”から、どう社会とつながり直したのかを語る必要があります。
でもその最初の一歩は、本当に偶然から始まりました。

きっかけは、家族で訪れたカフェだった

ある日、家族でふらりと入った近所のカフェに「アルバイト募集」の貼り紙がありました。
思わず聞いてみたのです。

「週1日でも、いいですか?」

お店の方が「いいですよ」と言ってくれたことで、私は週1日のパートを始めました。
何か明確な目標があったわけでもなく、「ただ、稼いでみたい」──ただその思いだけでした。

「小さな小さな社会」で自分を取り戻す

週1回、数時間だけの勤務。でもそこには確かに、子育てとは異なる“社会の空気”がありました。

注文をとり、レジを打ち、常連さんと何気ない会話を交わす。
誰かの役に立ち、「ありがとう」と言ってもらい、対価としてのお給料をもらう。

その循環が、いつしか私の中にあった

「私はもう社会では役に立てないかもしれない」

という思い込みを、少しずつほぐしてくれたのです。

けれど、ここで言う“社会”は決して大きなものではありません。
ほんの数人とのやりとり、半径数メートルの世界。
でも、それはまぎれもなく「小さな社会との再接続」でした。

専業主婦も、ずっと社会の一員だった

ここで、ひとつ伝えておきたいことがあります。

「専業主婦だった時間」は、けっして“社会と切り離されていた”わけではありません。
家族を支え、地域とつながり、目の前の小さな営みを支える毎日は、立派な社会参加です。

けれど、“お金が発生しない”という理由だけで、それを“社会的活動ではない”と感じてしまう人も多い。
かつての私も、そうでした。

でも今なら言えます。

社会とつながる形は、ひとつではない。
評価される枠の外側にこそ、見過ごされた価値があるのだと。

小さな一歩が、自信と自律を取り戻す

近所のカフェでの経験は、のちのキャリア支援や組織づくりにも通じる原点でした。

人が自信を取り戻すのに必要なのは、「大きな成果」ではありません。
むしろ、自分にもできることがあると実感できる、小さな成功体験こそが、次の一歩を支えてくれるのです。

余談

実は、シドニーに住んでいた時近所のカフェにブラウニーを卸していました。このバイト先でもそのことを伝え、ちゃっかりメニューにブラウニーを追加してもらったことは今でも嬉しかったエピソードの一つで、「言ってみる価値はある」ということを学んだ経験でした。


■ あなたへの問い

あなたの中に眠っている「小さな経験」。
それを「たいしたことない」と見過ごしていませんか?

もしかしたらそれは、
あなたが社会と再びつながる原点になるかもしれません。

Stay tuned for the next article!

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