問いを変えれば、すべてが変わる。
見つけよう、その先の問いを。

#11 “守”は、我が家の選択であって、正解ではない

先日、ある知人からこんな感想と問いをいただきました。
現在4歳のお子さんを育てているお母さんです。

「以前のコラムで紹介されていた、バイオリンやピアノの“毎朝の練習”というスパルタ的な習い事。あれって、やっぱり価値観の押し付けだったんじゃないかと思いながらも、結果的には“良かった”と書かれていて。
今まさに、子どもの習い事をどうするか悩んでいるところなので、
“好きなことをのびのびやらせる”のか、“頑張ってコツコツやらせてみる”のか…ますます迷ってしまいました。
個人差があるのはわかっているつもりだけれど、結局どうしたらいいんでしょう?」

この言葉に、私はとても共感しました。子どもにとって何が最善か、親であれば一度は悩むテーマだと思います。

「守」は、我が家の選択であり価値観の反映だった

娘に“守”の型を渡した頃――それは、私にとって「何を大切にするか」を自分自身に問いながら選んだ結果でした。
“スパルタ”と見える選択も、私たちがその時その時で大切にしていた「育てたい力」をもとにしたものです。当時の私は、「まだやりたいことが明確でない幼児期こそ、力の土台をつくるべきだ」と感じ、環境を整えていました。その環境が「毎朝の練習」になっただけであり、決して万人に当てはまる“正解”ではありません。

そしていま振り返ると気づくのです――
守”は、私たちの価値観を反映した家庭の選択だったということを。

好きなこと? それともコツコツ? ― 迷いを整理する視点

習い事で悩んだとき、私が大切だと感じているのは、まず「どんな力を育みたいか」を言葉にしてみることです。
正解を求めるのではなく、自分の願いの“方向性”を見える化することで、迷いが整理されていきます。

たとえば、こんな問いを自分に投げかけてみてはいかがでしょうか:

  • 子どもが心から楽しんで取り組めることを育みたいのか
  • 苦手なことにも向き合える粘り強さを育てたいのか
  • 仲間と一緒に過ごす協調性を重視したいのか
  • 一人でも探究心を持って取り組める力をつけたいのか

このように“育みたい力”を分解していくと、習い事の選択肢が一つの枠として見えてきます。
そして大切なのは、それらが正解である前に、「親としての選択」なのだということです。


組織にも通じる“守”の意味

この話は、家庭だけでなく組織にも通じることがあります。

組織にも「このチームのやり方」「この会社の文化」という“守”があります。
上司や先輩が、新入社員に「まずはこの型を学んでみてね」と伝えるのは、その文化や価値観を共有するための選択です。
しかし、それを絶対化しすぎると、“押しつけ”になってしまうこともある。

だからこそ、組織においても「なぜこのやり方を大切にしているのか」という背景を言語化し、対話を重ねることが大切です。
それは、部下自身が自分のスタイルを見いだす“破”や“離”につながります。


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最後に、あなたへ問いを

読みながら、ぜひ自分自身に問いを向けてみてください:

・あなたにとって「守りたい、もしくは継承したい価値観」とは何ですか?

それは、どんな経験や背景から生まれていますか?

・今、あなたが子どもに手渡したい力は何ですか?

そして、その力は、どうやって育まれると考えていますか?

・その選択は“正解”ですか、それとも“あなたの価値観の表現”ですか?

(もし違うなら、どんな選択が見えてくるでしょう?)

このコラムは、何かを決めるための答えを提供するものではありません。
むしろ、あなた自身が“問いを持つこと”そのものを大切にしてほしいと思い、届けています。

Stay tuned for the next article!

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