問いを変えれば、すべてが変わる。
見つけよう、その先の問いを。

ちょっと一息

これまで10回にわたり、娘との関係を軸に、自分の変化や子育て・キャリアにまつわる思考の旅を綴ってきました。
今回は少し趣向を変えて、“ブレイクタイム”のような1回をお届けしたいと思います。

紹介するのは、知人から教えてもらった一編の詩。
私はまったく知らなかったのですが、読んだ瞬間、心の奥深くに響く何かがありました。

詩:カリール・ジブラン『子どもについて』
(原典:『預言者(The Prophet)』より)

英語原文

Your children are not your children.
They are the sons and daughters of Life’s longing for itself.
They come through you but not from you,
And though they are with you yet they belong not to you.
You may give them your love but not your thoughts,
For they have their own thoughts.
You may house their bodies but not their souls,
For their souls dwell in the house of tomorrow, which you cannot visit, not even in your dreams.
You may strive to be like them, but seek not to make them like you.
For life goes not backward nor tarries with yesterday.
You are the bows from which your children as living arrows are sent forth.
The archer sees the mark upon the path of the infinite,
and He bends you with His might that His arrows may go swift and far.
Let your bending in the archer’s hand be for gladness;
For even as He loves the arrow that flies, so He loves also the bow that is stable.

日本語訳

あなたの子供たちはあなたの子供たちではない。
彼らは生命が自らを渇望する息子たち、娘たちである。
彼らはあなたを通して来るが、あなたから来たのではない。
そして彼らはあなたと共にいるが、あなたのものではない。
汝は彼らに愛を与えられようとも、汝の考えを与えることはできぬ。
彼らには彼ら自身の考えがあるからだ。
汝は彼らの体を宿すことはできようとも、彼らの魂を宿すことはできぬ。
彼らの魂は明日の家に住んでおり、汝は夢の中でも訪ねることはできないからだ。
汝は彼らのようにあろうと努められようとも、彼らを汝のようにしようと求めはするまい。
なぜなら、生命は後戻りせず、昨日にとどまることもないからだ。
汝らは弓なり。汝らの子供たちは生ける矢として放たれる。
射手は無限の道筋に標的を見定め、
その矢を速く遠く飛ばすため、汝らを力強く引き絞る。
射手の手に引き絞られることを喜びとせよ。
飛翔する矢を愛するのと同様に、射手は安定する弓をも愛するからである。

この詩が問いかけるもの

この詩が教えてくれたのは、「子どもは“預かる存在”であって、“所有する存在”ではない」という大きな視点でした。
どんなに愛を注いでも、どんなにそばにいても、
子どもには子どもの魂があり、自分の“明日”を歩む自由がある。
これまでのコラムでも書いてきたように、私は時に娘に「こうあるべき」と期待をかけてしまうことがありました。
でも、ふと振り返ると、それは“自分の考え”を投影していただけだったかもしれないのです。

組織・キャリアにも通じること

この詩は、組織やマネジメントにも通じます。
若手社員や後輩を「どう導こうか」と考えるとき、
自分の経験や成功パターンをそのまま当てはめようとすることがあります。
でも、彼らは“明日”の住人であり、自分の未来を生きている存在。
その魂までコントロールすることはできないし、すべきではない。
「見守る」「信じて送り出す」「必要な時だけ戻ってこられる場をつくる」
その姿勢こそが、これからのリーダーシップのあり方なのかもしれません。

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