問いを変えれば、すべてが変わる。
見つけよう、その先の問いを。

#2「当たり前」と向き合う力が、子どもの未来を拓いていく

――文理選択の葛藤から見えた、親の関わり方の転換点

高校1年生の進路面談で、娘がぽつりとこぼした一言。
「文系か理系、どちらかを選ばなきゃいけない理由って、なんだろう?」

これは、私たち親子にとって大きな“転機”の始まりでした。
以前の私であれば、「決まっていることだから」「制度だから」と即座に答えていたはずです。
でも、この時は違いました。

なぜなら私は、自分の価値観や経験から“教える”のではなく、
相手の内側から「気づき」を引き出す関わりの大切さを、少しずつ学び始めていたからです。


親の「当たり前」と、子どもの違和感

高校生になった娘は、理系にも文系にも興味を持っていました。
どちらかを選ぶという行為そのものに、疑問を感じていたのです。

「確かに、なぜ選ばなきゃいけないんだろうね」
「選ばないと、どうなるのかな?」

私がそう問い返した時、彼女は黙ってしばらく考えていました。
やがて彼女は、「両方学べる大学ってあるのかな」と、自分でパソコンを開いて検索を始めました。

その瞬間を、私は今でも鮮明に覚えています。
親が導く”のではなく、子どもが自ら問いを立て、行動を始めた瞬間でした。


「教える」から「引き出す」へ──関わり方のシフト

かつての私は、「良い大学に行けば、将来が安定する」という信念のもと、
「この大学はどう?」「ここなら将来安心だよ」と、自分の経験から勧めてばかりいました。

でもこの出来事を境に、私は娘の内側にある「わからなさ」や「違和感」に寄り添うようになったのです。
そして気づいたのは、子どもは、親の私が理解できない世界へ向かおうとしているということ。

良くも悪くも、私の経験では追いつかない未来。
だからこそ、親としてできるのは「背中を押すこと」ではなく、背中を支えることかもしれません。

娘はその後、日本国内だけでなく海外の大学まで視野を広げて探し始めました。
まずは「お金」や「距離」といった現実的な制約は横に置いて、とことん可能性の幅を広げさせる。
そのために、私も口を挟まず、ひたすら応援するスタンスを貫きました。


組織の中でも「問いを立てる人」が未来を創る

この経験は、組織における若手育成の場面にも重なります。

「なぜこのルールがあるのか」
「このやり方、本当にベストなのか」

そういった“問い”を立てる部下に対して、私たちはどう向き合うでしょうか。
「決まってるからやって」と言ってしまうか、
「面白いね、それってどう思う?」と引き出す側に立てるか。

実はこうした小さな対話の積み重ねが、
自ら学び、変化し、未来を切り拓いていける“自律型人材”を育てていくのではないでしょうか。


いま、悩みながらも誰かを支えているあなたへ

親であれ、リーダーであれ。
育成の本質は、「正しく導くこと」ではなく、
「相手が、自分で選び取る力を信じること」なのだと思います。

自分が信じてきた“正しさ”を一度手放してみること。
それは怖さを伴いますが、だからこそ可能性が広がる瞬間でもあります。


あなたが今日、手放してもいい“当たり前”はなんですか?

Stay tuned for the next article!

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